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羽目板の部屋でクレペリン検査してみた

モックンラボ 助手見習いロボット ウッディ

博士博士~!
木の香りを嗅ぐとストレス度が下がるって本当だか?
ウッディ気になる!!

モックンラボ MokkunLabの博士 Dr.もっくん

やあウッディ。
それはとてもいい質問だね!
じゃあクレペリン検査をしながらアミラーゼの測定をして実験してみよう!

そんなわけで…
羽目板の部屋で
”クレペリン”
実験してみた。

実験棟のヒノキ(羽目板)・スギ(羽目板)とクロスの部屋でクレペリン検査を行った後アミラーゼ測定を行い、ストレスのかかり方を調査する

実験棟でクレペリン検査を行い、検査前・検査を半分行った時点・検査後にそれぞれアミラーゼ測定を行う

今回のメインの実験

この2021年冬頃から2022年春頃まで行った羽目板の部屋でのメインの実験は、
実は「クレペリン検査を行い、アミラーゼを図ること」ことでした。

このクレペリン検査の為だけに実験室に入るのはもったいないよね。
ということですでに掲載されている「タイピング実験」や「マインドマップ実験」などはすべて付属的に行ったものだったんです。
もちろんやるからにはと真剣に企画は考えていますが、一番力をいれたのは、
この実験です。

さて、今回の「クレペリン検査を行い、アミラーゼを図る実験」

まず、クレペリン検査とは、決められた一定の時間に、一桁の足し算を行い、その結果から作業効率に変化があるか読み解くことが出来る検査です。
そして、アミラーゼ測定は唾液を採取してストレス度をみることのできるものです。

つまり本実験で行いたいのは、クレペリン検査で作業量をみて、ほどよくストレスがかかる作業を行ったときに、部屋によってストレス度合いは変わってくるのか調べるということです。

実験の手順

実験は次のように行いました。

クレペリン検査は与えられた紙のうち、まず上から7行を行い、一度アミラーゼの測定を挟んで、次の7行行うというセットを1セットとして行いました。

アミラーゼの測定は、検査前、途中、検査後です。
血圧と心拍の測定は検査前、検査後に行いました。

つまり、まとめると下記の様な感じです。

ちなみに、血圧・心拍の測定はもし違いが出たらいいなぁ。ということで図っておりますので、あくまでも補助的に調べるために今回は図っております。


それでは実験へ。

いってみよう。

実験の様子

実験の様子はこちら。
中央にあるのがクレペリン検査のシートです。左下にあるのがアミラーゼを測定する機械。

機械の画面表示が17kIU/Lとなっていますが、アミラーゼは数値が低いほどストレス度は低く、数値が高いほどストレス度が高いです。

ちなみに17 kIU/Lが平均。
偶然にも写真を撮った時は平均値をたたき出しています。

気になるストレス度の結果は…

まずは平均。

結論からいうと、ヒノキとスギの部屋は同じ、クロスは少しその2部屋に比べてストレス度が高いという結果でした。
ここから木の香りがある部屋で作業を行うとストレス度がクロスの部屋より下がるということが読み取れそうです。

ただ、これが平均のマジック(?)だったりするので、
結論を出してしまう前に、実際に個別の結果も見ていきましょう。

ご覧ください。
驚くほどにバラバラな傾向です。
まず一番目につくのがCさんのグラフではないでしょうか。

Cさん部屋別平均

Cさんなんと、どの部屋に入っても数字的には変動がありませんでした。
しかも、アミラーゼの数値が「3」というストレスフリー状態。
もちろん、ヒノキ・スギ・クロスで別の日に入っているので、その日実験室に入る前の気分なんかでも左右されると思うのですが、そういったことはCさんにはなかったようです。

かと思えばBさんは、クロスの部屋でストレス度が少し下がるという傾向に。
聞いてみたところ、「クロスの部屋の方が少し明るくて集中できた気がした」とのこと。
なるほど。そういうこともあるのですね。

Bさん部屋別平均
Aさん部屋別平均

そして、まるでお手本のようなAさん。
ヒノキ・スギを引き離し、クロスでの数値がかなり跳ね上がっています。
これにはAさんもアミラーゼを図るより前に、すごくやりづらさを感じていたようで、実際数値が高く出たことに驚きはしたものの、納得だったようです。



そんなAさんの数値。
さらに細かい実験のデータを見ていきましょう。

アミラーゼは実験前、途中、実験後に測定をしているため、1部屋当たり3回計測をしています。

途中だけの数値を拾うと、「ヒノキ=25、スギ=32、クロス=81」という結果。
Aさんはクロスの部屋でかなりストレスを感じていたということが伺えます。
あまりにもお手本のようなこの結果にはMokkunラボチームも驚きました。

ということで、平均のグラフはAさんがかなり差があったため、クロスの部屋でストレスを感じやすいとなりましたが、実際は…
クロスの部屋でストレス度が上がった人が1名(Aさん)、
クロスの部屋でストレス度が少し下がった人が1名(Bさん)、
どの部屋でもストレス度に変動がなかった人が1名(Cさん)、

という、面白い内訳です。

これはもう、実験数を増やすしか本当のことを確かめようがないため、再度行うときはせめて10名以上の実験者を集めてから行いたいものです。

クレペリン検査の結果は…

では実際のクレペリンの結果はどうだったのでしょうか。

上のグラフは一回目・二回目のクレペリンの回答数を表しています。
ヒノキ・スギに比べてクロスの部屋では、回答数が下がっています。
基本的には二回目に行う方が回答数が増えており、どの部屋でも二回目の方が伸びているのですが、クロスの二回目の回答数は64。
これはヒノキとスギの一回目の回答数にも届かない数字となりました。

一回目と二回目を平均して比べるとさらに分かりやすいグラフとなりました。
ヒノキの部屋での回答率が一番高く、クロスとは差が開いています。

血圧と脈は…

最後に血圧と脈をみてみましょう。

血圧は大きな差はありませんでした。
脈はスギ・クロスはほぼ変動がありませんでしたが、ヒノキは大きな差があり、これはBさんが脈が前と後でかなり跳ね上がっていたのでこのようになっております。

まとめ。

今回、 「クレペリン検査を行い、アミラーゼを図る実験」を行ってきました。
クレペリン検査はクロスよりもスギやヒノキの部屋の方がいい結果となり、作業効率としては木の香りがする部屋で行った方が良いことが分かりました。
アミラーゼ測定では、平均の結果だけ見れば、ヒノキやスギの部屋の方がストレスを感じないと見受けられますが、まだまだ実験数を増やしたい結果となりました。

これにて羽目板の部屋での社内実験発表は終了となります。
次回は羽目板の部屋ではなく、Mokkunの部屋で行うことになることを目標に、今年度も社内実験が行えるように計画していきたいと思います!